玄関は家の使い勝手を大きく左右する大事な場所です。
そこでわが家は玄関に開放感のある吹き抜けや、靴やキャンプ道具がまるっと収まる土間収納を設けました。
設計士さんには色々と無茶な要望をしましたが、アイデアと工夫で見事に施主の理想を叶えてくれました。
斬新な部分がありつつも実用性を兼ね備えた設計。
ぜひあなたの理想やコンセプトづくりの参考にしてもらえると嬉しいです。
土間がある玄関のコンセプト
植樹の木々を抜けて家の入口にたどりつき、シュガーオーク柄のドアを開けると、目の前に吹き抜けと土間のある玄関が広がります。

家全体にも言えますが、予算には限りがあるため『お金をかける部分とそうでない部分』を明確にするよう工夫しました。
玄関に込めた思い(コンセプト)
玄関は家の外と中をつなぐ重要な場所。
わが家はキャンプなどアウトドアを趣味にしているため、外遊びグッズなどが大量にあります。
そのためアウトドアグッズを含めてまるっと収納できることが、家の使い勝手を左右するポイントでした。
またわが家は2階リビングになりますが、家族が帰ってきたときに、2階にいても玄関にいる人の気配を感じられることを重視しました。
当時、保育園児の息子が、思春期の時期になったときに、家に帰ってきたことがわからなかったり、部屋にいる・いないがわからなかったりするのは避けたいな~と考えました。
そこで大きく以下の2つを玄関のコンセプトにしています。
- 2階にいても人の気配を感じられる玄関
- アウトドアグッズがまるっと収まる土間収納

他にもリビングや生活動線、様々な要望をまとめて設計士さんに伝えました。
我ながら、なんてムチャぶりなんだ…と思っていましたが、見事に理想を叶えてくれました!
2階にいても人の気配を感じられる玄関


コンセプトの1つである『2階にいても人の気配を感じられる玄関』。
これをコンセプトにした理由は、子育てをしていることが大きいです。
子育ての視点から家づくりで一番危惧したのは、間取りが原因となって親子のコミュニケーションが難しくなること。
家づくり検討中の「子どもがいる家庭」には、避けては通れない課題ではないでしょうか。
リビングを通らずに子ども部屋に行ける問題
2階リビングの検討にあたり大きな壁となったのが、この「リビングを通らずに子ども部屋に行ける問題」。
そうならないためによく言われるのが『リビングを1階にして、2階の子ども部屋にはリビングに設置した階段を使わないと上に上がれない』ような間取りです。
だけどわが家は、そもそも2階リビングが前提……
そこで登場したのがわが家のコンセプトでした。
アウトドアッズがまるっと収まる土間収納
もう1つの、注文住宅にあたってわが家が絶対外せないポイント。それは広い土間収納をつくるということでした。
その理由としては、キャンプやSUP(夫用)の道具があり、大きな収納スペースを確保する必要があったからです。
もしアウトドアグッズを置く場所がなければ……あっという間に収納難民です。



キャンプ道具って、すごく場所を取ります……
車の荷台がパンパンです。。。
間取りをうまく活用した収納力がありスッキリ見える土間収納
開放的な吹き抜けと広い土間収納、両方叶えたい!
一見無茶ぶりな要望も、吹き抜けにある階段の裏側スペースを活用することで、土間収納を設置できました。





まさか階段の裏がこんなに広い収納になっているとは……



初めて来た友人はだいたい驚きますね。
家族の気配を感じられる吹き抜けの玄関
わが家は2階リビングなので、吹き抜けをつくるにあたって一番重要視したことは……
2階のリビングからでも玄関にいる家族の気配を感じられること


そのうえで、使い勝手がよくなるよう色々と工夫しました。
家族の気配を感じる吹き抜けの間取り
玄関の吹き抜けは2階のリビングのすぐ横にあり、左の写真は2階から玄関を見下ろす目線となります。
2階からでも1階にある玄関が見える雰囲気です。


左の画像は朝に息子が父を見送る時の視点です。階段の上から顔を出して「いってらっしゃ~い」と言ってます。
普段使いの靴と小物が置ける棚
玄関には普段使いする靴を置く棚を造作でつくってもらいました。
一番上はカギや小物を置くスペースに活用しています。





使いやすいだけでなく玄関周りもすっきりするし、何よりビジュアルがいい感じです。
玄関の棚は全員におすすめします。
木の持ち手があるアイアンの手すり
設計段階では黒のアイアンだけの手すりでした。
工事が始まってからいい感じの事例を見つけてしまい、手をかける部分に木の持ち手をつけたくなります。



そんなムチャな……



大工さんの「出来ることならやるので色々言ってくださいね」というお言葉に、甘えてみました。
無理かなと思いましたが、材料は木材の余りを使えて、工期についても調整できるということで、追加費用なしでつけてくれました。


追加のお願いでしたが、すごく緻密で丁寧に仕事をしてくださったことがわかります。
大工さんはこころよく取り組んでくれましたが、普段からちょこちょこ顔を出して話をしたり差し入れをしたりすることで、大工さんとの人間関係を築けていたのも要因かもしれません。
家族のつながりは玄関の吹き抜けの間取りと日々のコミュニケーション
わが家は玄関と2階リビングを大きな吹き抜けでつなぎ、2階にいても帰ってきた家族の気配を感じられるような設計です。



実際に住んでから3年が経ちますが、2階リビングにいながらも1階の気配や様子が伺えます。
つまり2階リビングであっても、家族のつながりを感じられる間取りは可能。
これは家の間取りという『家の機能』の工夫になりますが、子どもが親ときちんとコミュニケーションを取ってくれるようにするための工夫はそれだけではありません。
むしろ『良い親子関係を築けるようにするための日々の工夫や努力』の方が大事なのではないでしょうか。


わが家は間取りの工夫に加えて、言葉がけや愛着形成の仕方など『親子関係を良好に保つ』工夫を行うことで、親子のコミュニケーションがしっかり取れるようにしたいと思っています。
親子の関係性において、間取りの工夫はあくまでも補足的な部分。
より重要な点は、日々の暮らしの中できちんとコミュニケーションを取り、親子の良好な関係性を築くこと。



家族の関係性を大切にする気持ちや日々の工夫を大切に。
その気持ちを持って、家族が楽しく過ごせる家の間取りを設計士さんとつくりあげましょう。
わが家の朝は、夫が仕事へ出かけるとき、息子は2階のリビングにいながら玄関の夫に「いってらっしゃーい」と声をかけます。
圧倒的な収納力がある土間
土間収納は物置スペースとシューズクローク用スペースで分けて使っています。
また収納スペースは階段の裏にあるため、玄関からは見えません。
そのため、収納スペースは物や靴がわっさ~となっていても、それを感じさせないすっきりした見た目にできます。


土間収納に収まる大量のアウトドアグッズ
玄関に入っても、ごちゃっとした収納場所は階段部分にうまく隠れて見えません。
家を訪れた友人に『土間収納をつくった』と言うと、
たいていの人が『え?どこに?』という期待通りのリアクションが返ってきます。
これらはそんな土間収納に収まっているアウトドア道具の一例です。


- 5人用テント
- タープ
- 寝袋×2
- クーラーBOX(66x41x40cm)
- コンテナBOX
- アウトドア用イス×3
- アウトドア用テーブル
- SUP(空気を抜いて畳んだ状態)
- アウトドア用キャリアカー
- アウトドア用ランプ×2
- 子ども用外遊び道具
わが家は夫婦でスノーボードの道具を一式持っているため、いくら収納があっても多すぎることはありません。
シューズクロークスペース
収納スペースの横にあるシューズクローク用の場所です。
家族3人(大人2人、小学生1人)でピッタリなため、今後スペースが不足しないか少し心配ではあります。
ですがベビーカーを余裕で置けるスペースがあるため、その場所を別の用途に活用できれば、かなりのスペースを確保することができます。


目線の先には緑
さりげないポイントですが、玄関から外に抜ける目線の先に緑(木)があるような設計にしてもらっています。
実際に目にすると、言われて初めて気づくくらいに地味なポイントですが、効果は大きいのではないでしょうか。


白で統一した壁紙の中で、何気なく緑が目に入ると、意識はしなくても癒されます。
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